2014年7月3日

第12回期日(第11回弁論準備期日)のご報告

平成26年6月16日午前11時から第12回期日(第11回弁論準備期日)が行われましたので,ご報告いたします。

 第11回期日において,原告らからは,アレルギー診断病院分以外のカルテ(診療録)を提出しました。
 被告フェニックスから準備書面(13)が,被告片山化学工業からは第12準備書面が,被告悠香からは,準備書面(7)~(9)が,それぞれ提出されました。

 
 
・被告フェニックスが提出した書面の内容
 被告フェニックスの書面の内容は,主に損害に関するもので,
①アレルギーが治癒ないし寛解しないことを前提とする主張に対する反論として,(ア)原告らが現在の症状が治癒ないし寛解の見込みがないことを立証できていない。(イ)日本アレルギー学会特別委員会に属する委員らが本件アレルギーは治癒ないし寛解の可能性があるとの見解を公表しており,実際に寛解が認められた多数の症例がある旨の医学文献が公表されていること。
 
②アレルギーの重篤化は,石鹸使用者の素因(体質などの素質)が関与しているため,個別に立証をすべきであり,また,相当な範囲内で素因減額をすべき。
 
③アレルギーが一生涯続くことの立証のためには,口頭弁論終結時までの全ての診療録等の開示の必要性がある。
というものです。
 
 
 
・被告片山工業が提出した書面の内容
 被告片山工業の書面の内容は,被告フェニックスの主張(第11回期日報告をご参照ください。)に対する反論等で,
①グルパール19Sは,化粧品・食品に幅広く利用できる汎用原材料として開発されたものであって,仕様を変更したことはないし,ひび割れ防止効果があると説明したこともなく,被告フェニックスから事前に完成品の詳細な情報を聞いたこともない。
 
②被告片山化学工業は,被告フェニックスへ安全性検査を実施したと伝えていないし,安全性について虚偽の説明をした事実もない。感作性試験をしないことが実務上の扱いに違反するものでもない。仮に感作性試験を実施していても,化粧品原材料としての安全性に問題があるとの結果は得られないから,被告片山化学工業が感作性試験を実施したか否かは,重要な争点ではない。
 
③グルパール19 Sが感作抗原となった原因については,未だ解明には至っていない。
というものです。
  その他に,本件アレルギー被害は,グルパール19Sの用途または用法違反の可能性があるため,グルパール19Sに欠陥があるとはいえない,という主張もされています。
 
 
・被告悠香が提出した書面の内容は,次のとおりです。
1.準備書面(7)  
  アレルギーが治癒ないし寛解しないことを前提とする主張に対する反論として,①医学的客観的な証拠が提出されていない,②本件アレルギー被害者のグルパール19S特異的IgE抗体が減少しているという検査結果があること,③小麦摂取を再開しているという日本アレルギー学会等における研究結果の報告があることが主張されています。
 
2.準備書面(8)
  弁護団が,全ての原告の損害額を一律にして請求していることに対して,包括一律請求は認められず,原告全員について個別に立証すべきであるとの主張をしています。
 
3.準備書面(9)
  弁護団が主張する損害額が適当ではないとの主張で,その内容は,
  ①仮に,包括一律請求が認められたとしても,損害額は,原告間に共通する最小限の損害のみが認められるべきである。
 
  ②原告らの損害が後遺障害として医学的・客観的に認められていないし,原告らに共通する治療費や傷害慰謝料を計算したところで損害額は低額にならざるをえない(なお,包括一律請求による以上、休業損害は個々人によって差が大きいので損害として考慮されるべきではない)。
 
  ③石鹸を使用して異常を感じた際に使用を中止しなかったという意味での過失相殺や、本件アレルギーが原告らの過剰免役体質や遺伝的素因によるものであるという意味での素因減額が認められるべき。
 
  ④既払金を控除すべきこと(損益相殺)
 
  ⑤多額の治療費等が想定され,具体的な死に繋がる可能性のあるB型肝炎集団訴訟の損害額(500万円)と比較すれば、さらに低額とされるべきである。
として,原告らが主張するような高額な損害額にはならないと主張するものです。
 
 
 
・次回期日の予定
 原告らは,診療録の追加提出,陳述書の作成,損害に関する反論を記載した書面の提出などの準備をしていきます。
 
 被告片山化学工業は,欠陥論についての補充の主張の準備を進め,その他の被告らについては,原告が診療録を提出できない医療機関に関して、裁判所を通じて書類を送付してもらう手続き(送付嘱託申立て)を行うか否かを検討する。
 
・今後の進行につきましては,
 ①次回期日:平成26年8月22日(金)午前11時から(弁論準備手続)
 ②次々回期日:平成26年10月15日(水)午前11時から(弁論準備手続)
 ③次々々回期日:平成26年12月17日(水)午前11時から(弁論準備手続)
と決定いたしました。

 
 以上,簡単ですが,第12回期日のご報告でした。